素数ゼミというとどのような言葉を思い浮かべますか?
「素数を大切にする何かの塾なのか?」
と私は思ってしまいましたが、全然違いました。
ゼミ=seminarではなく何とゼミ=cicada(キケイダと読む)だったのです。
土地によってはlocustと呼ぶこともあるそうです。
それが何かというと蝉(セミ)だったのです。
そうですあの夏に鬱陶しいくらいミーンミーンと鳴くあの昆虫のことでした。
でも素数ってどういうこと?と思いますよね。
定期的に大発生する素数ゼミ!大昔からその周期がずれることはない...
日本でも梅雨が明けた頃から毎朝セミの鳴き声と刺すような直射日光で起こされることがあると思います。
日本でもセミの種類は多く、30種類程が確認されています。
全世界では何と1600種類にも及ぶそうです。
それから比べれば日本のセミの種類なんてものは可愛いものですね。
今回話題になっているのは日本ではなく、「アメリカ」のセミです。
何と13年と17年のいずれかで大発生を繰り返しているのだといいます。
13年と17年といった素数である年周期で大発生を繰り返していることからそう呼ばれるようになったのだといいます。
アメリカではこの「素数ゼミ」が7種類いるのです。
1種類だけだけだったら13年に一度か17年に一度の大発生になると思うのですが7種類もいるとアメリカのどこかで毎年大発生が起こっていることになります。
しかも他の種類の素数ゼミとの時期がずれるように大発生することになっています。
自然に他の種類のセミと競合しないようになっているのかもしれませんね。
まさに自然の神秘です。
13と17の最小公倍数は221、221年に一度同じ時期に大発生する素数ゼミだけど...
大発生するとおそらく、とんでもなくうるさい事は間違いありません。
同時期に大発生すると当然13年周期のセミと17年周期のセミが交雑することになります。
そうなると生まれてくるのは間を取って15年周期で大発生する種類が生まれてくるかというとなぜかそのような事はないのだそうです。
どのような仕組みでこのように交雑が行われても周期がずれることはないのかは科学的にまだ証明されていません。
最新のDNA研究で今それを解き明かそうと研究者達は躍起になっているのです。
このような研究から今まで知られていない遺伝子が発見されて医学等に役立つようになれば、あのうるさいセミも役に立つのでしょうね。
さいごに
この大発生周期は10万年から20万年ずれたことはないそうです。
わずかでもズレれば、最初はわずかであっても時が経つにつれズレ幅が拡大していくはずなのですがこの素数ゼミの場合はそれがありません。
しかも他の種類と交雑してもその周期が維持されるといった不思議。
自然界にはこのような不思議がまだまだたくさんあるのです。
日本でもあと2か月ほど経つとセミの音と共に夏が訪れます。
特に大発生しているわけでもないのにあの騒音ですから大発生したアメリカの住民の方々はさぞかし大変なことでしょう。