「今日は休みだから一日のんびりしようかな。」なんて考えていた時に上司からメールが...
そのメールあなたならどうしますか?
もしメールを開いてしまって
「○○までにこの書類を作っておいて。」
なんて書いてあったら、テンションがガクッと下がることは間違いありません。
でも、メールを無視して休み明けに見るというのも中身が気になるし...ってことも多いのではないでしょうか。
最近では就業時間外に仕事の連絡を一切受け付けない「つながらない権利」というものが注目を浴びています。
つながらない権利とは一体どのようなものなのでしょうか?
日本人には難しいかも...つながらない権利とは?
テレワークが広がる中で就業時間外に電話やメールで業務連絡を受けない「つながらない権利」
多くの人は就業時間外に仕事の連絡が来たら、たいてい嫌な気分になると思います。
気分がブルーになって一日中、仕事のことを考えてしまうかもしれません。
せっかく仕事の事を忘れてプライベートな時間を満喫しているのに台無しになってしまいますよね。
就業時間とプライベートの時間をくっきり分けるという事で「つながらない権利」というものが誕生しました。
就業時間以外に仕事関係の電話やメールに対して対応しなくてよいという権利です。
海外では「つながらない権利」を法制化する動きもあるようですが、日本ではやや難しいように思います。
学校を卒業して社会に出たばかりの頃に上司から「社会人として勤務時間外でも電話が来たらすぐに折り返すないとダメ。」と教えられた人も多いのではないでしょうか。
また、職種によっては急な対応をせざるを得ない場合もあります。
テレビでよく見るように夜、医療機関に急患が運びこまれて就業時間外の医師に連絡をするということもあると思います。
また得意先などからの急な呼び出しがあるかもしれません。
対応しないと後々面倒な事になるような連絡もあるかもしれません。
このような場合は仕方がないとして、就業時間が始まってからでも十分に対応できるような案件を連絡してくるというような迷惑なものまであります。
本来であれば就業時間外の対応ですから残業手当が支給されるはずですが、多くの場合そのようなこともありません。
なぜなら日本では就業時間外でも休日でも「つながる」事が当たり前とされているからなのです。
せっかくのプライベートを邪魔されたくないと思う人も多いでしょうけど仕方なく対応しているのが現実なのです。
厚生労働省でもテレワークガイドラインでつながらない権利について触れられています。
○ フランスでは、労使交渉において、いわゆる「つながらない権利」を労働者が行使する方法を交渉することとする立法が2016年になされ、「つながらない権利」を定める協定の締結が進んでいる。テレワークは働く時間や場所を有効に活用でき、育児等がしやすい利点がある反面、生活と仕事の時間の区別が難しいという特性がある。このため、労働者が「この時間はつながらない」と希望し、企業もそのような希望を尊重しつつ、時間外・休日・深夜の業務連絡の在り方について労使で話し合い、使用者はメールを送付する時間等について一定のルールを設けることも有効である。例えば、始業と終業の時間を明示することで、連絡しない時間を作ることや、時間外の業務連絡に対する返信は次の日でよいとする等の手法をとることがありうる。労使で話し合い、使用者は過度な長時間労働にならないよう仕事と生活の調和を図りながら、仕事の場と私生活の場が混在していることを前提とした仕組みを構築することが必要である。
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000711687.pdfより引用
海外では広まりつつある「つながらない権利」を日本の企業でも少数は始めているようですが「つながらない権利」が普及することはないかもしれません。
日本では「つながらない権利」が普及していない以上、対応しておいた方が無難です。
ではなぜ日本では「つながらない権利」が普及することは難しいのでしょうか。
つながらない権利が日本で普及しない原因とは?
日本では昔から24時間365日連絡を受ければ対応するのが普通だとされています。
寝ているときに連絡が来たら最悪な気分になることは間違いないですね。
しかしそのような事が当たり前になっているのです。
しかも日本の企業において従業員は「家族」みたいなものとしてとらえられている事が多いように感じます。
「従業員はみんな家族です!」みたいなキャッチコピー見たことありませんか?
ですからいつでも連絡しても良いし、いつでも連絡を取れるような状態になっていなければなりません。
家族的なものだから休みでもなんでも関係なしといったところです。
海外ではそういうコミュニケーションをとりながら仕事をするということはないから成り立つのが「つながらない権利」なのではないでしょうか。
日本に住んで働いている以上、あまり期待できない権利かもしれませんね。
さいごに
何でもかんでも世界基準に合わせる必要性はないと思いますが、せっかくのプライベートの時間はリラックスして過ごしたいので、よほど緊急性がない限りは上司は部下への連絡を控えるべきです。
もし、緊急性のないような連絡をするにしても「急ぎではないので」とか添え書きをしておくというのが優しさではないかと思います。
そうしないと夜中であっても飛び起きて仕事に取り掛かってしまうというのが、日本人の性質だと思いますので。